停電や断水続く、幼稚園や学校も砲撃 ウクライナ南部マリウポリで深まる人道危機
ウクライナ・キエフ(CNN) ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリがロシア軍に包囲され、電気も水も暖房も使えない人道危機状態に陥っている。
マリウポリの当局者は、激しい砲撃を受けて住民が危機的な状況に追い込まれていると訴えた。約40万人の人口のうち、避難できた住民の数や、死傷者の数は分かっていない。
マリウポリを攻撃したロシア軍は、黒海に面した都市ヘルソン(人口約30万人)の制圧を狙って戦闘を続けている。ヘルソン市長は同市がロシア軍に制圧されたことを示唆したが、情報は錯綜(さくそう)している。
ロシア軍の南部侵攻には、ウクライナ西部の港湾都市オデッサからヘルソンとマリウポリを経由して、ロシア寄りの分離独立勢力が支配する東部へと陸路をつなごうとしている狙いが見える。
マリウポリのセルヘイ・オルロフ副市長は3日、マリウポリはロシア軍に包囲され、差し迫った軍事援助と人道援助を必要としているとCNNに語った。
オルロフ副市長によれば、マリウポリは26時間続いた砲撃を受け、人道危機に直面している。
「彼らは砲撃、空爆、戦術ロケット、多連装ロケット弾などあらゆる兵器で我々の街を破壊している」とオルロフ副市長は訴え、「市全域で電気がなく、水の供給も、衛生設備も、暖房もない」と伝えた。