ロシア人ジャーナリスト、砲撃で死亡 ウクライナ首都で取材中
(CNN) 独立系ニュースサイトの「インサイダー」は23日、同サイトの特派員だったロシア人ジャーナリストが、ウクライナ首都キエフで砲撃に遭って死亡したと発表した。
死亡したオクサナ・バウリナ氏は、キエフ市内でロシア軍の砲撃による被害の様子を撮影していたところ、ロケット弾の砲撃に遭った。インサイダーの発表によれば、一緒にいた民間人も死亡したほか、2人がけがをして病院に運ばれた。
バウリナ氏は特派員としてウクライナに入り、キエフや西部リビウからニュースを伝えていた。
インサイダーは「今後もロシアの戦争犯罪を含め、ウクライナの戦争に関する報道を続ける。今も住宅地の無差別砲撃で民間人やジャーナリストが殺害されている」と強調。バウリナ氏がいつ死亡したのかは明らかにしていない。
この発表の直後、同僚もツイッターでバウリナ氏の死を伝え、「強い道徳感をもつジャーナリストだった」と追悼した。
インサイダーによると、バウリナ氏はロシアの反政府指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏が創設した汚職疑惑追及団体「反汚職基金」のプロデューサーを務めていた。しかし同団体が過激派組織に指定されたことからロシア出国を余儀なくされ、ロシア政府の汚職に関する報道を続けるために、インサイダーの特派員になった。
ナバリヌイ氏の広報は、バウリナ氏を「勇気あふれる誠実で素晴らしいジャーナリスト」とたたえた。
調査報道サイト「ベリングキャット」記者のクリスト・グロゼフ氏は、バウリナ氏について「キエフで民間人を砲撃している自分の国の軍隊によって殺害された」「砲撃の被害について取材中に死亡した」とツイートしている。
国際NPO「ジャーナリスト保護委員会」によると、ウクライナで死亡したジャーナリストは今月に入って5人目だった。