ロシアが任命、ウクライナ侵攻の新司令官について分かっていること
(CNN) ロシアのプーチン大統領はこのほど、ウクライナでの戦争を統括する新司令官を起用した。
欧米の当局者によれば、ロシア軍南部軍管区のアレクサンドル・ドゥボルニコフ司令官(60)が、ウクライナでの軍事作戦を統括する戦域司令官に任命されたという。
ドゥボルニコフ氏はシリアでのロシアの軍事作戦の初代司令官を務めた人物。プーチン氏は2015年9月、シリアのアサド政権を支援する目的で同国に軍を派遣した。
ドゥボルニコフ氏がシリアで指揮を執った15年9月から16年6月にかけ、ロシア軍機はアサド政権や同盟勢力が反体制派支配下のアレッポを包囲するのを支援し、人口密集地を爆撃して多数の民間人犠牲者を出した。アレッポは16年12月にシリア政府の手に落ちた。
00~03年には、ドゥボルニコフ氏は長期に及んだ北コーカサス地方での鎮圧作戦に参加。中でも第2次チェチェン紛争では、チェチェンの中心都市グロズヌイが壊滅状態に追い込まれた。
ロシアはウクライナの一部地域でも同様の手荒い手法を用いており、主要都市の住宅を攻撃したり、港湾都市マリウポリの大部分を破壊したりしている。
ドゥボルニコフ氏は16年3月、軍功が評価され大統領府から「ロシア連邦英雄」の称号を授与された。
ロシアがウクライナでの戦争を率いる新たな総司令官を指名したのは、ロシア軍の妨げとなっているもう一つの問題、つまり調整不足を改善する狙いもあるとみられる。
Retired Lt. Gen. James Marks breaks down why Russia's newly appointed general, known as the "butcher of Syria," is essentially responsible for the next chapter in the war on Ukraine. pic.twitter.com/1Q45NWKVM9
— CNN (@CNN) April 11, 2022