ICC主任検察官、ウクライナを現地視察 「誰もが目覚ますべき」
(CNN) 国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官はCNNのインタビューに答え、ウクライナ首都キーウ(キエフ)近郊の町でロシア軍撤退後に民間人が多数殺害されているのが分かった問題について、法の裁きが下ると保証するのは難しいかもしれないとの見方を示した。ロシアがICCの締約国ではないためとしている。
カーン氏は今週、殺害された民間人の集団墓地が発見されたブチャとボロジャンカを視察。こうした残虐行為をICCで裁けるのかどうかについて「単純には考えられない。現実的になる必要がある」と述べた。
そのうえで第一には証拠を収集、分析し、それに基づいた判断を下すと強調。そうした判断は裁判官によって検証することが可能だとの認識を示した。
ICCのツイートによればカーン氏は、「ウクライナは犯罪現場だ」「ここに来たのはICCの管轄内で犯罪が行われたと信じるに足る合理的な証拠があるからだ」と説明している。
また戦争犯罪を調査する今回の任務について、ウクライナのみならず世界全体に影響を及ぼすとも指摘。「共同戦線を構築する必要がある」と主張した。
さらにこれまでにも世界各地でこうした犯罪が繰り返されてきたと述べ、今こそ人道や合法性を念頭に「誰もが目を覚ますべき」と訴えた。