経済協力関係の強化図る協議、近く開始か 米・台湾
シンガポール/台湾(CNN Business) 台湾当局者は29日までに、米国との貿易や経済関係の強化を図る協議が今後数週間内に始まるとの見通しを示した。
高官2人がCNNの取材に明らかにしたもので、貿易や相互の投資機会の分野での関係強化のための具体策を摸索すると指摘。サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)性の確保、労働問題、環境や持続可能な開発への取り組み方が中心議題になるとも予想した。
協議開催に関する正式発表は、調整作業などを終えた後になるだろうとした。
台湾当局の高官はCNNに、米メリーランド州で今年6月に開催予定の米国市場へ海外投資を呼び込む行事に代表団を派遣する可能性にも言及した。
経済面を含めた中国への対抗策の整備を進めるバイデン米大統領は先の日本訪問で、米国主導の新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足を宣言。台湾は加入を望んでいたが、一部の参加国が中国の反発を危惧したため実現していなかった。
IPEFは従来の意味での貿易協定の性格は帯びておらず、貿易推進で重視すべき理念の色合いが濃い。サプライチェーンの強靱化、クリーンエネルギーの利用促進や汚職対策などを打ち出している。
台湾は半導体製造などで世界を主導しており、米国が追求するサプライチェーンの確保で重要な役割を担っている。
バイデン大統領は対中政策に絡んで台湾重視の姿勢を強めてもおり、最近は中国が台湾の武力支配を試みた場合、軍事介入すると受け止められる言動も示した。米ホワイトハウス当局者はこの発言の火消しに追われもしたが、バイデン氏によるこの種の発言はここ数カ月間で3回目ともなっていた。