ロシア軍、南部反攻の阻止に注力 ウクライナ軍参謀本部
(CNN) ウクライナ軍参謀本部のオレクシー・フロモウ氏は21日までに、ロシア軍の最優先任務は南部前線を維持することだとの見解を示した。
フロモウ氏によると、ロシアは南部ヘルソンに向かうウクライナ軍を押しとどめるため、塹壕(ざんごう)を掘ったり追加のリソースを投入したりする策を講じている。
ロシア軍は部分的動員の第1波の助けを借りつつ、ドニプロ川西岸に展開する兵士を増やすことで南部前線を維持する計画だという。水路の要衝であるドニプロ川では最近、両岸で戦闘が発生している。
フロモウ氏はまた、ヘルソン州に40個を超えるロシア軍の大隊戦術群が展開していることも示唆した。1個大隊戦術群は通常、約1000人の人員で構成される。
プーチン政権にとって、ヘルソンやザポリージャ、ミコライウといった南部方面は、クリミア半島につながる陸上回廊や半島への水供給を維持する観点から戦略的価値がある。ミコライウ州やオデーサ州の制圧に向けた橋頭堡(ほ)を将来的に築き、ウクライナの海洋国家としての地位を奪う意味でも南部は戦略的価値が高いという。
ロシアを後ろ盾とするクリミア半島のアクショーノフ首長は声明で、「ヘルソン州の防衛はクリミア共和国の安全確保につながるというのが我々の共通の立場だ。この目標に向け、我々は引き続きあらゆる必要な措置を講じる。その中には前線の兵士や法執行要員に最大限の支援を提供することも含まれる」としている。