誰が立候補するのかはまだわからない。CNNはジョンソン前首相の支持者から、ジョンソン氏が驚がくのカムバックとも言えるものを検討中との情報を得た。わずか数カ月前に不名誉な辞任をしたにもかかわらずだ。
ジョンソン氏に近い人々は、厳しい分断状況の党を真にまとめられる人物はジョンソン氏しかいないと主張する。だが、それ以外の人々は、ジョンソン氏が首相職から遠ざけられるべき十分な理由があると即答する。
記憶が薄れつつある人のために言及すると、その理由とは同氏が直面したあまりに多くのスキャンダルだ。新型コロナウイルス流行で自らが課した規制に違反した件から、セクハラのうわさのある人物を党の要職に据える決定まで、数多くのスキャンダルに見舞われた。それが原因となり、ジョンソン氏は辞任に追い込まれた。
党をまとめる候補者は?
ジョンソン氏の元を離れたかつての支持者は、同氏を首相に据えたら保守党が攻撃にさらされるだけだと語る。高位の役職者に全くふさわしくないと証明された人物が、どうして突然、国を率いるのに最良の人物になるのかという点だ。
ジョンソン氏の復帰を恐れる保守党議員や野党労働党議員はCNNに対し、ジョンソン氏は現在、パーティーゲートと呼ばれるスキャンダルで故意に議会を誤解させた疑惑で、調査の対象になっているとも指摘する。
党をまとめられる候補としては別の人物もいる。トラス政権の要職者の一人、ペニー・モーダント氏は出馬を検討中とみられる。同氏はブレグジット支持者で党内の人気が高く、首相の職務に冷静に取り組めそうな分別ある穏健派と目されている。トラス政権下でもトラス氏のリーダーシップを公に批判し、党内に緊張が高まる時期に社会保障の給付金額をインフレに合わせて引き上げることを主張した。トラス氏を批判する人々からも評価を得られるとみられる。
スナク元財務相もいる。スナク氏の閣僚辞任が今夏のジョンソン氏辞職を引き起こしたと考えられ、前回党首選では最後までトラス氏の対立候補に残ったものの、ジョンソン氏支持者からは嫌われている。もしスナク氏が選ばれたら、党の大半の人々から人気のない人物の就任となる可能性がある。
議員と党員に人気があること、これが次の党首の極めて重要な要件となるだろう。党内ではブレグジットから財政規律まであらゆるところで分断が生じ、議会の過半数を握っているにもかかわらず事実上統治不可能な状況となっているためだ。