フィンランド、ロシア国境にフェンス構築を計画 来年着手
(CNN) 北欧フィンランドの国境警備隊は20日までに、ロシアとの国境線上に来年、1億3900万ユーロ(約202億円)を投じてフェンスを構築する計画を発表した。
このフェンスは障壁効果も持つより頑丈な種類のもので、長さ130〜160キロの区間に設置する。監視装置も導入し、国境線の巡回用の道路も整備するとした。
建設には3〜4年要する見通しで、耐用期間は約50年と見込んでいる。試験的なフェンス導入の工事が来年春にイマトラ地区で始まる予定。
国境警備隊は声明で、安全保障環境の変質を受け、同国東部の国境線の一部にフェンスを設ける必要が生じたと指摘。
「ロシアが国境警備を緩和すれば不法入国を阻止する上でフィンランドにさらなる圧力がかかる可能性がある」とし、「フィンランドはロシア側の効果的な国境管理体制に頼ることはできない」とも断じた。
フィンランドとロシアの間の国境線の長さは約1336キロに達する。フィンランドは北大西洋条約機構(NATO)加盟国としてロシアと国境を接する数少ない国の一つともなっている。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け多くの欧州諸国は対抗策としてロシア航空機の領空侵入を禁じるなどの措置を発表。フィンランドも入国規制を講じ、今年9月下旬にはロシア人の入国を例外規定を除き禁じてもいた。
ロシアのプーチン大統領が兵員補充のために予備役の部分動員を発表して以降、出国を急ぐロシア人が相次いだ事態を受けた対策だった。
国境警備隊が今月出した報道発表文などによると、フィンランドに到着したロシア人は入国規制の開始後、大幅に減少。9月29日に東部の国境線を通じた入国者数は約8583人だったが、入国制限が始まった翌日には1700人に落ち込んだという。