中国の江沢民・元国家主席が死去、96歳 大国への道開く
北京(CNN) 中国国営新華社通信は30日、江沢民(チアンツォーミン)元共産党総書記(元国家主席)が死去したと報じた。96歳だった。
江氏は白血病とそれにともなう多臓器不全により、上海で亡くなった。妻と息子2人、孫2人がいる。
上海市長を務めた後、1989年の天安門事件で追放された趙紫陽元総書記の後継者として、当時の最高実力者、鄧小平氏に抜擢された。同事件で孤立した中国を率いて国際社会に復帰させ、大国の座への道を開いた。
香港返還式典で英国のチャールズ皇太子(当時)と握手する江沢民氏=1997年7月1日/Reuters
同氏の下で中国は香港の主権を回復し、2008年五輪の開催国となり、世界貿易機関(WTO)に加盟した。
一方で、現在に連なる汚職問題の種は江氏の時代にまかれたとの指摘もある。
02年末から後継者の胡錦濤(フーチンタオ)前総書記に権力を譲り渡したが、引退後も習近平(シーチンピン)総書記の選出を後押しするなど、政界への影響力を維持した。
2017年の共産党全国代表大会で習近平国家主席と話をする江沢民氏/Jason Lee/Reuters
トレードマークの黒縁眼鏡とともに、外国語や芸術への造詣が深いことでも知られていた。