ロシア、米海軍の退役軍人を解放 1年近く拘束
(CNN) 1年近くロシアに拘束されていた米海軍の退役軍人、テイラー・ダッドリー氏(35)が12日、解放された。ダッドリー氏の家族の広報担当者が明らかにした。
ミシガン州在住のダッドリー氏は昨年4月に、ポーランドとリトアニアの間にあるロシアの飛び地カリーニングラード州にポーランドから入った際にロシアの国境警備警察に拘束された。同氏は音楽祭に参加するためにポーランドを訪れており、なぜ国境を越えたのかは不明だ。
米政府は同氏の拘束を「不当なもの」あるいは恣意(しい)的で差別的な動機に基づいているものとはみなしていなかった。家族が解放交渉を秘密裏に進めることを望んでいたため、拘束の事実は広く周知されていなかった。
広報担当のジョナサン・フランクス氏は、ニューメキシコ州の元知事で国連大使を務めたこともあるビル・リチャードソン氏が設立した非営利団体が交渉を主導したとCNNに述べた。リチャードソン氏は外国で拘束された米国人の解放に長らく取り組んでおり、同氏の団体はロシアで不当に拘束されていた元米海兵隊員トレバー・リード氏の昨夏の解放にも一役買った。
フランクス氏は「本日、ロシア当局は米国籍で米海軍の退役軍人のテイラー・ダッドリー氏をポーランド国境でリチャードソン氏とそのチーム、在ポーランド米大使館の代表に引き渡した」と述べた。
リチャードソン氏はCNNに、解放地点はカリーニングラード州のバグラチオノフスクとポーランドのベズレディを結ぶ国境検問所で、交渉は1年近くに及んだと述べた。また、解放には米国務省、在ロシアと在ポーランドの米大使館が関与したことを明らかにした。
ロシアには元米海兵隊員のポール・ウィラン氏ら数人の米国市民が依然として拘束されている。