戦車の次は戦闘機、ウクライナが兵器供与の圧力強める

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F16戦闘機=2022年2月16日、米ネバダ州ラスベガス近郊/Master Sgt. Tristan McIntire/40th Flight Test Squadron/DVIDS

F16戦闘機=2022年2月16日、米ネバダ州ラスベガス近郊/Master Sgt. Tristan McIntire/40th Flight Test Squadron/DVIDS

ワシントン(CNN) ウクライナ高官がここ数日、公の場で米国製のF16戦闘機供与を求める発言をエスカレートさせている。ロシアのミサイル攻撃やドローン攻撃に対する防衛のため、緊急に必要だというのがウクライナ側の主張だ。

これに対して米国や同盟国は、戦闘機の供与は非現実的だとして懐疑的な姿勢を示す。その理由として、戦闘機は相当の訓練が必要とされ、ロシアの対空システムで簡単に撃墜される可能性があると指摘する。

それ以上に米当局者が不可解に思っているのは、ウクライナが公の場でF16の供与を求める理由だ。非公式の場でウクライナが同戦闘機の供与を求めることはほとんどない。

当局者によると、米国防総省やホワイトハウスで過去数カ月の間に行われた非公式の協議では、ウクライナ側が求める装備の中で戦闘機の優先順位は高くなかった。それよりもウクライナ側は、長距離ミサイル(米国側は供与に二の足を踏んでいる)や弾薬、防空システム、戦車を重視してきた。戦車は北大西洋条約機構(NATO)加盟国の論議を経て供与が決まった。

欧州も同じような状況だ。フランスのエマニュエル・マクロン大統領とオランダのマーク・ルッテ首相は1月30日、原則として制約はないとしながらも、オランダもフランスもウクライナから戦闘機の供与を正式に要請されたことはないと語った。

米国のジョー・バイデン大統領は30日、ウクライナにF16を供与するかどうかという質問に「ノー」と即答した。

ウクライナ外相は31日、改めて公の場で戦闘機の供与を「優先課題」と位置付けた。ウクライナ政府は、公に圧力をかけ続ければ、西側が過去に越えてはならない一線とみなしていた兵器でさえも、最終的には確保できると考えているようだ。

ウクライナのオレクシー・レズニコウ国防相は31日、「今日は不可能なことも、明日はきっと可能になる」とNPRに語った。

ウクライナの国防当局者もCNNの取材に「遅かれ早かれ実現するだろう」と述べ、1年前の時点で高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」や戦車「エイブラムス」の供与は想像もできなかったと指摘した。HIMARSは昨年、米国からウクライナに供与され、エイブラムスは先週、バイデン政権が供与を決めた。

ウクライナはドイツや米国の戦車を手に入れただけでなく、昨年12月にはウクライナ側からの何カ月にもわたる圧力の末、米国が最終的に、地対空ミサイル「パトリオット」の供与に合意した。パトリオットについて米国はかつて、移転や運用上の課題があまりに多すぎると見なしていた。

「戦闘機がATACMS(米国製の地対地ミサイル)より簡単だとは思わない。それでも圧力をかけてみる必要があると考える」。ウクライナの国防当局者はそう語った。「私は楽観視しているが、すぐにも実現するかどうかは分からない。少なくともそれに関する話は始まっている」

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