「まるで射撃場の七面鳥」、ドネツク州の激戦地で大損害被るロシア軍 今後の攻勢に向け暗雲も

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ブフレダール周辺でロシア軍の陣地に向かって自走砲を発射するウクライナ軍の兵士ら/Chris McGrath/Getty Images

ブフレダール周辺でロシア軍の陣地に向かって自走砲を発射するウクライナ軍の兵士ら/Chris McGrath/Getty Images

ウクライナ・キーウ(CNN) 現場は大混乱に陥っている。戦車は強引に向きを変えた後で爆発するか、一直線に地雷原へ突っ込んでいく。兵士らは四方八方に走り回り、中には体に火がついた者もいる。戦車にひかれた死体も見えている。

複数のロシアの軍事ブロガーがこの惨状を失敗、さらにはそれ上回る言葉で形容した。

これらの場面はウクライナ軍のドローン(無人機)が過去2週間、東部ドネツク州の町ブフレダール周辺を上空から撮影したものだ。現地ではロシア軍による襲撃が立て続けに失敗している。

ブフレダールでのこのような失態は、ロシア軍の指揮系統や戦術が慢性的な機能不全に陥っていることを示唆する。同軍は春季の攻勢に向けた準備を進めているが、ドネツク州からルハンスク州にかけて伸びる前線の他の場所でも同様の苦戦を強いられれば、より多くの領土の掌握を図るクレムリン(ロシア大統領府)の計画は失敗に終わる可能性がある。

CNNが現場を特定した約20の動画には、基本的な戦術上の大失策が映っている。現場の地形は障害物のない平地で、高台にいるウクライナ軍の弾着観測者は砲撃についての指示を出すことができる。地雷原の存在もロシア側の被害に拍車をかける。

ある動画では地雷原に進入した戦車が爆発。その後、歩兵戦闘車とみられる車両も同じ運命をたどった。別の動画にはウクライナ軍のドローンが小型の爆発物を複数の戦車に向けて落とす様子が映っている。戦車は開けた場所で動かず、じっとしている。現場は放棄された装甲車両の墓場と化している。

動画はウクライナ軍が公開し、CNNと軍事の専門家が分析した。その内容によると、少なくとも二十数台のロシア軍の戦車及び歩兵戦闘車が数日のうちに無力化もしくは破壊された。衛星画像からは、現場の樹木限界線に沿って集中攻撃が行われたことが分かる。ロシア軍の戦車はこの地点で前進を試みていた。

ロシア国防省はブフレダールへの攻撃について、計画通り進んでいると主張。プーチン大統領は12日のテレビ放送のために記録した演説の中で、攻撃を主に担う第155海軍歩兵旅団の働きを称賛した。

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