コソボで衝突、NATO軍兵士34人負傷 セルビアはデモ参加者が負傷と発表
(CNN) コソボ北部で29日、北大西洋条約機構(NATO)平和維持部隊とデモ隊の衝突があり、イタリア国防省によると、NATO側の兵士少なくとも34人が負傷した。
コソボではセルビア系住民が多数を占める北部地域でアルバニア系の市長が就任したことを受け、緊張が高まっていた。4月に行われた市長選は、セルビア系住民がボイコットしていた。
NATOコソボ治安維持部隊(KFOR)はこの事態を受けて29日午前、コソボ北部のプレゼンス強化を発表。その後、衝突が起きたことを明らかにした。
イタリア国防省によると、KFORのイタリア兵14人は、釘や爆竹、石などを詰めた火炎瓶をデモ隊に投げられて負傷した。負傷者にはハンガリーやモルドバの兵士も含まれるとしている。
同省は「イタリアやハンガリーの兵士が一方的に攻撃され、発火装置の爆発で骨折ややけどなどのけがを負った」と説明。KFORの医療班が負傷者を手当てしたと言い添えた。
これに対してセルビア国防省のネマニャ・スタロビッチ副大臣は、今回の衝突でデモ参加者「多数」が負傷したと語った。「平和的な」デモを行っていた参加者が「解散して明日の朝抗議運動を続けようと決めた」ところで、KFORが閃光(せんこう)弾を使用したとデモ参加者は訴えているという。
アルバニア系住民が多数を占めるコソボは、2008年にセルビアから独立した。しかしセルビアはこれを認めず、コソボ北部のセルビア系住民もコソボをセルビアの一部とみなしている。