ギリシャ再選挙、与党が勝利 ミツォタキス首相続投へ
(CNN) ギリシャで25日に行われた再選挙でキリアコス・ミツォタキス前首相率いる中道右派の与党、新民主主義党(ND)が躍進し、ミツォタキス氏の2期目続投が確実になった。
今回の選挙は経済の安定や生活費の問題が焦点となった。勝利演説に臨んだミツォタキス氏は、「我々はギリシャを変革させるという高い目標を掲げている」と述べ、間もなく「大きな改革」に着手すると宣言した。
開票率約96%の時点でNDの得票率は40%を超えた。左派の最大野党、急進左派連合(SYRIZA)は得票率約17%と大きな差をつけられた。
得票率が3%を超えて議席を獲得する見通しとなったのは計8党。極左や極右の政党も得票率を大幅に伸ばした。
ギリシャの領海では数日前、定員オーバーの移民船が転覆し、少なくとも82人が死亡、数百人が行方不明になっていた。
この惨事をめぐる当局の対応は批判の的になり、選挙運動は中断されて、ギリシャ暫定政府は3日間の服喪を発表した。
しかしこの問題が政権に大きな打撃を与えることはなかった。ミツォタキス氏は先月、CNNのインタビューの中で、自身の移民政策を「厳しいながらも公正」と形容しており、こうした姿勢が国民の共感を呼んだと思われる。
選挙戦でミツォタキス氏は、ギリシャに入国しようとする移民を阻むため、トルコとの国境を隔てる全長35キロのフェンスをさらに延長すると公約した。
野党SYRIZAも移民問題に関する発言をトーンダウンさせ、選挙前の党首討論ではフェンスの存続に同意。難民受け入れに積極的だったそれまでの政策に対して距離を置く姿勢を示した。