スーダン・ダルフール地方で87人を集団埋葬、暴力の犠牲者か 国連が調査呼びかけ
(CNN) スーダンの西ダルフール州州都郊外で、少なくとも87人の遺体が集団で埋葬されているのが見つかった。殺害された人々とみられ、国連が調査を呼びかけている。
トゥルク国連人権高等弁務官は集団埋葬の発見を受け、「迅速かつ徹底した、独立機関による調査」を要求した。
埋葬されていた遺体はマサリット族のもの。マサリット族は他の非アラブ系の住民と並んでしばしばアラブ系民兵組織の標的とされる。これらの民兵組織はスーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の支援を受けている。国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が明らかにした。
遺体はRSFとそれに同調する民兵組織により先月13~21日に殺害された人々とみられる。国連人権高等弁務官事務所が、信頼できる情報に基づく内容として13日の声明で発表した。
これらの人々には、先月14日に発生した西ダルフール州知事暗殺後の暴力での犠牲者も含まれると声明は指摘。傷を負ったまま手当てを受けられず亡くなった人もいるとされる。
トゥルク氏は殺害を「無慈悲であり、死者とその家族、彼らの共同体を冒瀆(ぼうとく)するもの」と非難。「関与した者に責任を取らせなくてはならない」と強調した。
その上で紛争当事者のRSFその他の勢力に対して、国際法を順守し、死者の迅速な捜索や回収に協力するよう要求。その際、民族的背景に基づく差別を行わず、死者の尊厳を守ることを呼びかけた。
西ダルフール州は、依然としてスーダンのダルフール地方で最も紛争の激しい地域となっており、長年にわたり深刻な暴力が頻発してきた歴史を持つ。