スーダン難民100万人超す 性暴力横行、「制御不能」と国連
(CNN) 東アフリカのスーダンで国軍と準軍事組織による武力衝突が起きた4月以来、近隣国へ逃れて難民となった人の数が100万人を超えた。
国際移住機関(IOM)の15日の発表によると、スーダン国内では340万人あまりが避難民となった。スーダンから出国した人たちは、エジプト、リビア、チャド、中央アフリカ共和国、南スーダン、エチオピアなどにたどり着いている。
スーダンは4月半ばに軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の激しい戦闘が始まって内戦状態に陥り、大量の難民が発生した。関係する民兵組織による民間人の殺害や民家の略奪、民族浄化も伝えられ、人道に対する罪として非難されている。
国連機関は15日の声明で、「状況は制御不能に陥りつつある」として敵対行為の即時停止を要求。「スーダンの人たちは平和と公平な人道支援を必要としている。国際社会は今日にも介入を強化し、あらゆるレベルで関与し、スーダンを元の状態に戻して戦争を終わらせなければならない」とした。
国連によると、内戦状態に陥ってからの4カ月で、性的暴行などの性犯罪は50%の激増となった。こうした暴力は戦争犯罪や人道に対する罪にあたると、国連人口基金(UNFPA)現地事務所のライラ・ベーカー所長は指摘する。
現在妊娠している女性は約26万人に上り、3カ月以内に約10万人が出産する見通し。しかし病院など安全に出産できる環境が整わなければ、「そうした次世代を担う子どもや乳児の生命が重大な危険にさらされる」とベーカー所長は訴えている。