パリの交通機関でトコジラミ「蔓延」 フランス政府が対応表明
パリ(CNN) フランスの首都パリで人の血を吸うトコジラミ(別名・南京虫)の「蔓延(まんえん)」が伝えられる中、政府が国民を守るために行動を起こすと約束した。
クレマン・ボーヌ運輸相は、国民を守り、安心させるため、週内に会議を開いてさらなる対策を講じると表明した。
パリの地下鉄を運行するパリ交通公団(RATP)は、トコジラミを目撃したという情報が伝えられたことを受け、警戒を続けているが、ここ数日は目撃されていないとしている。
RATPは2日、CNNの取材に対し、目撃情報があるたびに対応しているとした上で、ここ数日は地下鉄内でトコジラミが確認されたケースはないと説明した。
9月27日に寄せられた報告については、調査した結果、「車内でトコジラミの存在は記録されなかった」としている。
高速鉄道ユーロスターなどを運行するフランス国鉄(SNCF)は「害虫の報告を非常に真剣に受け止めている」としながらも、これまでのところトコジラミの存在は確認しておらず、証明された報告もないと説明した。
パリでは公共交通機関や映画館などでトコジラミを見たとする動画が相次いでSNSに投稿され、パリ市や労働組合から政府に対応を求める声が強まった。
パリのエマニュエル・グレゴワール副市長は9月29日、フランスのテレビ局LCIの取材に対し、この現象が「蔓延している」と述べ、「安全な人は誰もいない。明らかにリスク要因がある。トコジラミはどこででもうつってしまい、自宅に持ち込んでしまう可能性がある」と危機感を募らせた。
パリは2024年にオリンピックの開催を控える。しかしグレゴワール副市長は「オリンピックが脅かされることはない」と述べ、「トコジラミは以前から存在していて、以後も存在し続ける」と指摘。オリンピックはこの問題に力を合わせて取り組む好機になると強調した。