10日間で女性5人が犠牲に、DV問題の解決模索 豪
オーストラリア健康福祉研究所(AIHW)によると、パートナーによるDV被害を届け出た女性の割合は、16年から21~22年にかけて、1.7%から0.9%に減少した。
しかし女性に対する暴力について21年にオーストラリア全土で実施された意識調査では、「DVは日常のストレスに対する正常な反応」とする回答が23%を占めた。
91%は女性に対する暴力をオーストラリアの問題と認識していた。
対策を求める声が強まったことを受け、政府は昨年、女性と子どもに対する暴力の撲滅を目指す国家計画を立ち上げ、今年8月に23~27年の第1次行動計画を発表した。
![DV被害者を支援しているマヌエラ・ウィットフォードさん/Hilary Whiteman/CNN](/storage/2023/11/06/a16b859c643307bec1bcb5415b749c1e/04-manuela-whitford.jpg)
DV被害者を支援しているマヌエラ・ウィットフォードさん/Hilary Whiteman/CNN
オーストラリアは現代的な富裕国かもしれないが、国連によれば性差別的な意識が根強く残っており、女性の方が男性よりも家事労働を多く担う一方、生涯賃金は少ない。
女性のリーダーシップに関する国際研究所が22年に実施した調査では、オーストラリアの男性は世界平均に比べてネット上の女性差別的な発言を容認する傾向があった。
クイーンズランド州ブリスベンでDV被害者を支援しているマヌエラ・ウィットフォードさんは、女性のDV被害を防ぐためには地域社会が力を合わせる必要があると指摘し、「大丈夫ですかと声をかけない人が多いのは、その答えにどう対応すべきか分からないから」「だから知識を身に着け、自分の地域でどんなことができるのかを見つけてほしい」と話している。