ガザ攻撃は「ジェノサイド」 南アがイスラエルを国際司法裁判所に提訴
(CNN) イスラエルがパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスに対して行っている戦争はジェノサイド(集団殺害)に当たるとして、南アフリカが29日、国際司法裁判所(ICJ)に審理の開始を申し立てた。
南アフリカは訴えの中で、イスラエルが「集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約(ジェノサイド条約)」に違反していると主張。「イスラエルの行為および不作為はジェノサイド的な性質をもつ。ガザのパレスチナ人を破滅させるという明確な意図をもって行われている」と訴えた。
ガザ地区の保健当局によると、10月7日以来の死者は2万1507人を超えている。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によれば、この中には国連の避難所に身を寄せていた少なくとも308人が含まれる。
イスラエル軍の攻撃を受けるガザ地区ラファから立ち上る煙=16日/Said Khatib/AFP/Getty Images
ICJへの申し立てについてイスラエル外務省は、南アフリカがイスラエル国家の破壊を求めていると強調。南アフリカの主張は「事実的にも法的にも根拠を欠く」と反論した。
その上で、「イスラエルは国際法を順守し、それに従って行動しており、軍事行動はテロ組織ハマスと、ハマスに協力するテロ組織のみに対して行っている」と述べ、「非当事者への被害を最小限にとどめ、ガザ地区へ人道支援を届けるために最大限の努力をしている」と強調した。
南アフリカ国際関係協力省は29日、「イスラエルの無差別的な武力行使と住民の強制排除に伴うガザ地区の民間人の窮状」に重大な懸念を表明。「人道に対する罪や戦争犯罪が行われているとの報告も続いている」と指摘した。