避難中の車に攻撃、女児と親族らの遺体発見 ガザ北部
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区北部で先月、避難中の車がイスラエル軍の攻撃を受け、車内から助けを求めていたパレスチナ人の女児(5)が、同乗していた親族とともに遺体で発見された。
パレスチナ赤新月社(PRCS)によると、女児は先月29日、おじ夫妻やその子ども4人とともに車で避難する途中で攻撃を受けた。
女児の祖父から話を聞いたパレスチナ人ジャーナリストによれば、一族の遺体は約2週間後になってガザ市の南西、タルアルハワにあるガソリンスタンドの近くで見つかった。
PRCSがSNSに投稿した当時の音声記録によると、女児のいとこ(15)から助けを求める通報があった。この少女は電話中に射殺されたとみられる。
激しい銃声が響くなかで、いとこが「車内で狙い撃ちされている。戦車がすぐ隣にいる」と叫んだ後、声が途絶え、銃声も止まった。電話口の救急隊員が繰り返し声を掛けたが、返事はなかった。
生き残った女児は、おじ一家の遺体とともに閉じ込められた車内から、電話で必死に「助けて。怖い」と訴えていた。
女児の母親は9日、CNNとのインタビューで、「娘の帰りを待ち続けている」と話していた。女児は医師になるのが夢だったという。
PRCSはさらに、女児の救助に向かった救急隊員2人が死亡したことを確認した。事前に救急車で現場に出動する許可を得ていたにもかかわらず、イスラエル軍の標的になったという。
CNNはPRCSが示した位置情報などの詳細をイスラエル軍に説明したが、イスラエル軍はこの件を把握していないと答えた。