ネタニヤフ氏、軍に「住民退避」計画の作成指示 ラファ攻勢迫る
(CNN) イスラエル首相府は9日、予想されるパレスチナ自治区ガザ地区南部ラファへの攻撃を前に、ネタニヤフ首相が軍にラファからの「住民退避」計画の準備を指示したと明らかにした。
国連によると、ラファには現在130万人以上が集まっているとみられる。その大半はガザ地区の他の地域から避難を強いられた人だという。
ネタニヤフ氏は8日、イスラエル国防軍(IDF)が「近く(イスラム組織)ハマスの最後の砦(とりで)であるラファに進軍する」と表明していた。
多くのパレスチナ人はIDFがガザ地区を南下するにつれ、地区内を移動してラファに逃げ込んだ。
ただ、次に向かう場所があるかは不明だ。ラファは南側でエジプトと接しているものの、エジプトとの境界は何カ月も閉ざされている。
イスラエル首相府は声明で、「ラファにハマスの4大隊」を残しつつハマス壊滅を達成するのは不可能だと説明。「一方で、ラファでの大規模作戦には戦闘地域からの民間人退避が必要になることは明らか」とも指摘した。
これを踏まえ、ネタニヤフ氏はIDFや国防関係者に対し、住民退避とハマスの大隊解体の両方をめざす計画を内閣に提出するよう指示したという。
ガザ地区内でまだIDFに占領されていない人口集中地はラファのみ。
ラファは避難を強いられたパレスチナ人が集まり、急速に人口が増えた。今週公開されたラファの人工衛星画像には、IDFの作戦を逃れるためガザ住民が流入し、テント村が短期間で拡大した様子が写っている。
2023年10月26日のラファの衛星写真/©2024 Maxar Technologies
2024年2月3日のラファ。以前はなかったテント村が広がっている/©2024 Maxar Technologies
ガザ南部でのイスラエル軍の作戦を仕切るゴールドファス准将は4日、CNNに対し、民間人の死者数を最小化する計画はまだ手元にないと説明。部隊をラファへ進める指令が来れば計画を立てるが、そうした命令はまだないと語った。
米国務省は8日、米国は「真剣な計画」がなければラファでのイスラエルの軍事作戦を支持しないとの立場を示した。