アフリカ南部で壊滅的な干ばつと水害、2400万人を襲う飢えや水不足
南アフリカ・ヨハネスブルク(CNN) アフリカ南部を襲った干ばつや水害のため、2400万人以上が飢えや栄養不良、水不足に陥っているとして、支援団体のオックスファムが国際社会に対応を呼びかけた。専門家は「想像を絶する人道状況」に陥りかねないと危機感を示している。
アフリカ南部で干ばつが続く中、ザンビアとマラウイに続いてジンバブエも国家災害を宣言した。
ロイター通信によると、ジンバブエのエマソン・ムナンガグワ大統領は、今年は270万人以上の国民が飢えにさらされると予想、国家的対応のために20億ドル以上の援助が必要だと訴えた。
アフリカ南部は例年であれば今月から乾季に入る。しかし国連人道問題調整事務所によると、今年は1月下旬から2月にかけての降水量が過去40年あまりで最も少なかった。
米国国際開発庁の飢餓早期警報システムネットワークによると、特に中部は2月に100年以上ぶりの干ばつに見舞われた。
オックスファムによれば、ザンビアとマラウイ、モザンビーク中部では、極端な干ばつの影響で200万ヘクタールを超す作物に被害が出ている。
ザンビアは2月29日に災害宣言を出し、マラウイは国土の大部分について3月23日に4年連続となる災害宣言を出した。国連世界食糧計画はこの週、マラウイについて、エルニーニョの影響で「気候危機の壊滅的な影響に拍車がかかっている」と指摘した。
オックスファムによると、モザンビークでは300万人が飢えにさらされている。同国の首都マプトは大雨が続いて3月に大規模な洪水が発生した。
「モザンビークが何度も何度も気候変動の影響にさらされているのはあまりに不当だ。世界で最も貧しい国の一つであるモザンビークが、同国がほとんどかかわっていない気候危機の代償を負わされている」。支援団体のアクションエイドはそう訴えていた。