ブラジル南部で豪雨続く 死者57人、行方不明373人
(CNN) ブラジル南部リオグランデドスル州で数日前から豪雨が続き、当局によると少なくとも57人が死亡、373人が行方不明になっている。
当局の発表によると、被害は281市に及び、負傷者は少なくとも74人。
地元政府が被災地に非常事態宣言を出した。対象の住民は6万7000人あまりで、このうち1万人近くが住まいを失い、4500人あまりが臨時の避難所に収容された。一部のダムはこのレベルの水量を想定していないため、当局が注意深く監視中だが、今のところ差し迫った決壊リスクはないとされる。
ルラ大統領は2日、救援活動を統括する現地当局者らと面会した。
リオグランデドスル州のレイテ知事は、「われわれは不幸にして歴史的災害を目の当たりにしている。物的被害は甚大だが、現時点の焦点は救助作業だ。まだ助けを求めている人々がいる」と述べた。
現場からの画像には、一部地域で泥水が屋根まで達し、住民やペットがゴムボートで救助される場面が写っている。
ボートを使って住民を救助するボランティア=ブラジル・リオグランデドスル州/Anselmo Cunha/AFP/Getty Images
当局によると、同州のグアイバ湖は4日午前、豪雨で水位が5メートルも上昇し、州都ポルトアレグレが危険にさらされている。
ブラジル支援の米NPO、ブラジル基金は、同国出身のスーパーモデル、ジゼル・ブンチェン氏と協力して被災者支援の基金を立ち上げた。
リオグランデスル州では近年、異常気象による被害が増えている。昨年9月にはサイクロンで54人が死亡した。
気候危機との関連が指摘される異常気象は世界各地で増加傾向にあり、ここ数週間だけでもアラブ首長国連邦(UAE)ドバイやケニアが大規模な洪水、東南アジアが記録的な熱波に襲われている。