アフガン洪水の死者300人 濁流にのまれる人や住宅、泥まみれの子どもたち
(CNN) 3人の子どもがうつろな表情でモスク(イスラム教礼拝所)の屋根の上に座っていた。アフガニスタン北部のバグラン州。全身を泥に覆われ、まばたきすると泥が落ちる。
2歳の弟アリアンちゃんが屋根の上に下ろされた。腰の周りには、眼下の濁流からアリアンちゃんを引き揚げるために使ったシートが結び付けられている。
救助隊員の会話が聞こえる。「体からロープを外そう」「お母さんを連れて来よう。腕に抱いて温かくしてあげられるように」
国連世界食糧計画(WFP)によると、アフガニスタン北部を襲った洪水のために、過去数日で少なくとも3州の300人以上が死亡した。負傷者は少なくとも200人に上る。
映像には、泥でできた住宅が濁流に押し流され、茶色く濁った激しい流れに巻き込まれた人々がもがく姿が映っている。高台から見守る人たちは、助けたくても手が届かない。
救助された3歳と5歳、6歳の子どもは、8人の兄弟姉妹のうちの3人で、バグラン州ブルカのフォロ地区にある自宅で両親と一緒にいたところを洪水に襲われた。
3人のおじで学校長のバラカトゥラさんは、先週末、激しい暴風がこの一帯を襲い、全てが闇に包まれたとCNNに語った。「視界があまりに悪く、お互いの姿さえ見えなかった」
静かな雨が降り始めたのは、10日の祈りの時間だった。このあたりは山間部の高地で、地元住民によれば雨はめったに降らないという。
次第に雨が強くなると、突如として惨状に変わった。