「死から逃げた」 避難繰り返すガザ住民の恐怖と絶望、停戦の希望消え
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区最南端のラファをイスラエル軍が空爆する中、イスラエル軍がラファ東部から退避させたパレスチナの民間人が、自宅や避難場所を次々に追われる恐怖と絶望を語った。
イスラム組織ハマスが6日に停戦の提案を受け入れたことで、ラファ侵攻は回避されるという希望が生まれた。しかしイスラエルがハマスに対する「軍事的圧力の行使」を続行すると表明したことで、希望は瞬く間に消え去った。
ガザ南部の病院関係者によると、イスラエル軍のラファ空爆で、7日朝までに子ども6人を含む23人が殺害された。
イスラエル軍は、ラファ検問所のガザ側を制圧したと発表した。同検問所は、絶望的な状況にあるガザ地区へ、エジプト経由で援助物資を届けるために使われていた。
ラファ東部から退避した住民は、過去24時間の間に遭遇した恐ろしい体験をCNNに語った。イスラエル軍は6日、同地にいた推定10万人のパレスチナ人に「即刻退避」を命令。住民はハンユニス近郊の海辺の町マワシに避難するよう指示されたが、同地は生活に適さない場所だと支援団体は訴えている。
退避した男性の一人、ラビー・ガラブレさんは、一家で避難するのはこれで7回目だと打ち明けた。「状況は非常に厳しい。私たちはおびえながら逃げた。民間人の家や、私たちの知人が狙われた。昨晩の砲撃は気まぐれで無差別だった」
別の女性は子どもたちを連れて「死から逃げた」と語り、戦争が始まって以来、10回以上も一家で避難を繰り返しながら「大きな苦しみと屈辱に耐えてきた」と訴える。
ガザ保健省によると、これまでのおよそ7カ月でイスラエル軍の攻撃によってガザ地区で3万4600人以上が殺害され、100万人以上がラファへ逃れた。医療NGOの国境なき医師団はラファについて、「生存のために必要な条件」が欠如していると指摘する。
ラファ東部にいた人たちは、イスラエル軍の退避命令でパニック状態に陥った。国連や人道支援団体などは、イスラエルに対してラファ侵攻を思いとどまるよう求めていた。