「死から逃げた」 避難繰り返すガザ住民の恐怖と絶望、停戦の希望消え
自転車で避難したファイサル・バーバフさんは、これから先のことは分からないと言う。「私がここに背負っているのは自分の全人生だ。家族は7カ所に引き裂かれた。人生は終わったと感じる。もう何も考えられない。59年の人生を置いてきた。全ての思い出も、子どもたちの写真も、家の契約も」
ラファ東部を離れた住民は、イスラエルが街から街へと標的を切り替える中、これまで何度も避難を繰り返してきた人ばかりだった。
「避難させられるのはこれで4回目になる。ヌセイラトからハンユニスへ、その次はラファへ、そして今度もまた。自分がどこへ行くのか分からない」。そう語る男性もいた。
イスラエルが検問所占拠
イスラエル軍が急襲したラファ検問所は、SNSに投稿された写真によれば、パレスチナの旗がイスラエル国旗に入れ替えられた。
イスラエル国防軍の報道官は、ラファ検問所のパレスチナ側が「テロ目的で使用されていた」ことが分かったと説明した。
ラファ検問所は人道支援物資搬入の要所として使用され、エジプトの先月の発表によれば最大で1日300台のトラックが通過していた。
国境管理当局は、「イスラエルの戦車が検問施設をパレスチナ側から占拠した後」、全ての移動とラファへの援助物資輸送がストップしたと話している。