ガザ住民の半数、7月半ばまでに壊滅的な飢餓に直面か
(CNN) 人道危機が指摘されるパレスチナ自治区ガザ地区で約220万人の住民の半数が今年7月半ばまでに壊滅的な飢餓に直面するとの予測が11日までに発表された。
総合的食料安全保障レベル(IPC)と呼ばれる分類手法でまとめられた予測で、CNNがグラフで示してみた。栄養失調の状態は「危機」「緊急事態」「壊滅的」の各段階に分けられている。
予測の対象期間は、今年3月15日から7月15日までとなっている。「危機」は住民の12%、「緊急事態」は38%に「壊滅的」が50%と予想された。
戦闘や人道支援物資をガザへ搬入する検問所封鎖などが原因で、ガザ住民の大半は日々の食料確保もままならないでいる。食料の空中投下や海上ルートを通じての物資輸送なども試みられているが、量的には十分でないとも指摘されている。
一方、世界食糧計画(WFP)は10日、ガザ南部にある複数の検問所経由での人道支援物資の搬入は過去3日間、実施されていないと報告した。
ガザ最南端に位置するラファ市で開店しているパン屋は一つだけと指摘。同市にはガザ全域で居住先を追われた住民ら約140万人が殺到。イスラム組織「ハマス」の殲滅(せんめつ)を掲げるイスラエルは、ラファへの本格的な地上侵攻の地ならしとみられる軍の態勢を整えている。
WFPは、検問所の再開放がなければ支援業務は停止し、住民らが得る食料は払底するだろうと警告した。