米桟橋から搬入の物資、数日遅れで配布開始 ガザ
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区沿岸に米軍が設置した桟橋で搬入されていた人道支援物資の配布が、23日までに始まった。住民への物資配布は、ドローン(無人機)攻撃やトラックの略奪で滞っていた。
米国際開発局(USAID)当局者は23日の電話会見を通し、桟橋で荷下ろしされた食料などの物資500トンあまりがすでに支援団体へ引き渡され、このうち3分の2は住民に配布済みまたは配布中だと述べた。
22日には計185トン以上の物資を積んだトラック27台が出発した。輸送拠点のキプロスには、桟橋行きの物資が「何千トンも」控えているという。
米軍は数日前から桟橋での作業を開始したが、数キロ先でイスラム組織ハマスがイスラエル軍に無人機攻撃を仕掛けたため、倉庫への搬送が停止されていた。今週初めには一部のトラックが搬送途中で略奪された。米国防総省は21日、桟橋から搬入された物資が住民に全く届いていないことを認めていた。
USAIDは米軍の支援を受けて、より安全な搬送ルートを考案したという。
米中央軍のクーパー副司令官は、海上輸送の支援物資を陸上で配布する作戦が困難をともなうことは珍しくないとしたうえで「こうした雰囲気から、現地がどんな活動環境なのかがある程度伝わるだろう」と述べた。
同氏が確認したところによると、現地で桟橋関連の作業にあたっていた米兵3人が負傷した。このうち2人は足首の捻挫と背中の軽傷でイスラエルの病院へ運ばれた後、任務に復帰している。1人は補助艦上で負傷し、重体とされる。
物資の海上輸送は、陸路での輸送を補う手段と位置付けられている。クーパー氏は米軍が空中投下も続行するとの方針を確認した。