中国共産党、前国防相ら2人の党籍はく奪 賄賂の疑い
(CNN) 中国共産党は27日、党の規律に反して巨額の賄賂を受け取っていたとして前国防相の李尚福氏と、元国防相の魏鳳和氏の党籍をはく奪した。中国国営中央テレビ(CCTV)が報じた。
軍の人事刷新が続く中、李氏は昨年10月、何の説明もなく国防相を解任された。その前の2カ月間は公の場から姿を消していた。
李氏の謎めいた失踪と、就任から間もない中での更迭は多くの臆測を呼んだ。その前には、同国の核ミサイルと弾道ミサイルを監督するエリート部隊である中国人民解放軍(PLA)ロケット軍の高官2人が、同様に突然解任されていた。
27日の発表は、こうした解任の背後に収賄の容疑があることを当局が初めて公式に認めたものだ。
CCTVによると、李氏の前任の魏氏も収賄の疑いで党から追放された。国防相経験者2人が同時に処分されるのは異例。
李氏、魏氏共に、習近平(シーチンピン)国家主席をトップとする軍の指揮命令系統の最高位に位置する機関である中央軍事委員会のメンバーだった。
CCTVによると、李氏は昨年北京で開催された安全保障フォーラムに出席したのを最後に公の場から姿を消し、8月31日に「党の規律と法律に対する重大な違反」の疑いで軍の内部調査下に置かれた。
規律を専門とする党委員会の調査で、2人は自分自身や他人のために見返りを求め、「巨額の金」を受け取ったことが明らかになったという。
両氏とも訴追のため軍当局に引き渡されたとCCTVは報じた。