ゼレンスキー大統領、米ワシントン入り NATO首脳会議で支援要望へ
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領が8日夜、北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議に合わせて米ワシントン入りした。9日に開幕する首脳会議ではロシアと戦うウクライナへの長期的な支援が最重要議題になるとみられる。
ゼレンスキー氏は滞在中、バイデン米大統領と会談するほか、首脳会議の合間に演説を行うなど、自国への支援の強化を訴える。NATOの加盟国は3日間にわたって開催される首脳会議で、ウクライナに関して「重大な」発表を行うとしている。
ワシントン入りしたゼレンスキー氏は開口一番、今回の会議で自国の兵士らを励ますような「決定的な行動」を求めると述べた。また、ウクライナはロシアを打ち負かすためにあらゆることを行っており、ロシアとの戦いでの勝利は各国にとって必要なものでもあると訴えた。
同氏は防空システムやF16戦闘機のほか、追加の安全保障支援を求める意向を明らかにした。
NATOに加盟する国々は今回の首脳会議ではウクライナが主な議題になると明言している。
だが、ロシアとの戦争が長引き、ウクライナが政治的あるいは軍事的に近々勝利する兆しが見えない中、ウクライナ支援が十分なものになるかは疑問が残る。また、11月に行われる米大統領選挙でトランプ前大統領が返り咲いた場合のNATOへの影響について懸念する向きもある。
ゼレンスキー氏が米国入りする前の8日朝には、ウクライナの首都キーウの小児病院などがロシア軍のミサイル攻撃を受け、少なくとも計37人が死亡、多数が負傷した。この攻撃について、ウクライナ当局者はNATO首脳会議に合わせたものと指摘している。