カナダ州首相、米国向けのエネルギー遮断すると脅す 大規模追加関税導入なら

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カナダ州首相、米国向けエネルギーの遮断を警告

(CNN) カナダからの輸入品に高い関税をかけると脅すトランプ次期米大統領に対し、カナダ側は米国へのエネルギー供給の停止によって報復する可能性がある。カナダの当局者がこのほど警告を発した。

カナダ最大の州、オンタリオ州のフォード州首相は11日夜、米国のミシガン州やニューヨーク州、ウィスコンシン州へのエネルギー供給を一定程度遮断する意向を示した。

トランプ氏は大統領の就任初日にカナダからの輸入品に対して25%の関税をかけると明言している。それを実行に移すのであれば、カナダはあらゆる手段を講じてこれに対抗しなければならないとフォード氏は警告した。

オンタリオ州で大規模な原油の産出が行われていない点を踏まえると、フォード氏の脅しは米国がカナダから輸入する電力に適用されるものとみられる。

トランプ氏が掲げる関税政策により、カナダは厳しいリセッション(景気後退)に陥る可能性がある。フォード氏の脅しは一部のカナダ人が押し進める強硬な対応を受けて一部の米国人に届く電力や燃料が一時的に途絶する恐れがあることを意味する。

フォード氏のコメントから、カナダが一段と広範な報復に踏み切り、米国の石油輸入にも一定の影響が及ぶと懸念する向きもあるが、専門家は現時点でそのような措置が講じられる公算は小さいとしている。

専門家によれば、あらゆるカナダ側からの報復は州からのものも含めて、連邦政府の承認を得る必要があるという。

米国は水力由来の電力をカナダのオンタリオ州、ケベック州、ブリティッシュコロンビア州から定期的に輸入している。カナダは米国への電力輸出国の筆頭だが、米エネルギー情報局(EIA)の昨年のデータによれば米国内での総消費量に占めるカナダ由来の電力の割合は1%に満たない。

また米国とカナダは、長年にわたって互いに依存しながら電力の需給バランスの調整に取り組んできてもいる。

たとえば干魃(かんばつ)などで自国の水力発電能力が低下した場合、カナダは米国から電力を輸入している。

報復として電力が遮断されれば、関係する米国の各州にとって問題となる可能性はあるものの、それらは一時的なものである公算が大きい。コロンビア大学グローバルエネルギー政策センターの主任研究員、R・J・ジョンストン氏はそう指摘する。

同氏によれば米国内に豊富に存在する電力源から当該の州へ電力を融通できるため、米国側がそこまで脆弱(ぜいじゃく)な状態に陥るのは考えにくいという。

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