空自のF35墜落 操縦士の捜索続く、米駆逐艦も協力
香港(CNN) 航空自衛隊の最新ステルス戦闘機F35Aが太平洋上で墜落した件で、同機が消息を絶った海域では捜索活動が続いている。捜索活動には、日米の航空機のほか、米ミサイル駆逐艦も加わっている。
墜落したF35Aは9日夜に所属する三沢基地から同型の3機とともに訓練飛行に出発したが、東約135キロの太平洋上で通信が途絶えた。同機の操縦士はレーダーから消える直前に訓練中止を伝える通信を送っていた。その後、海上で機体の残骸の一部が回収された。
機体の製造元である米ロッキード・マーチン社によれば、2018年8月時点で、世界各地の軍隊に310機のF35が配備されている。
今回墜落した機体は事故から11日前に発足したばかりの第302飛行隊に所属していた。同飛行隊にはF35Aが13機配備されているが、防衛省によれば、墜落の原因が判明するまで飛行が停止される。
F35の多くは米国で製造されているが、今回墜落した機体は愛知県の工場で組み立てられた1号機だった。
豪空軍の元将校でグリフィス大学アジア研究所のアナリスト、ピーター・レイトン氏は、墜落の原因究明に向けて最初に調査が行われる場所のひとつとして日本の製造ラインを挙げた。
レイトン氏は、操縦士は訓練中止を伝えたものの救難信号は出していないことから、機器類や配線に問題があった可能性があるとの見方を示す。レイトン氏は「操縦士は機体は指揮下にあり、差し迫った危機に直面しているとは考えていなかったようだ」と述べた。