「ミシュラン掲載は屈辱的」、韓国のシェフが侮辱容疑で告訴
ソウル(CNN) 韓国・ソウルでイタリアンレストランを営むシェフが、掲載を断ったにもかかわらず自分の店の情報を掲載されたとして、ミシュランを侮辱容疑で告訴したと発表した。
ミシュランを告訴したのはソウル市内で「リストランテ・エオ」を経営するシェフのエオ・ユングォンさん。15日にフェイスブックを通じ、ミシュラン・トラベル・パートナーをソウル中央地検に告訴したと発表した。レストラン側の意思に反し、明確な基準もなく一方的に情報を掲載されたと訴えている。
「堕落本に私のレストランのエオが掲載されることは、エオのメンバーとファンに対する名誉棄損に当たる。相手はまるで幽霊のように、電話番号がなく電子メールでしか接触できなかった。私がはっきりと掲載を拒んだにもかかわらず、その意思に反して今年も掲載された」
エオさんはこう訴え、特にミシュランが秘密としているレストラン審査の方法を問題とした。エオさんはミシュランに対し、自分の店の情報の掲載をやめ、審査基準を明らかにするよう電子メールで要求していたという。
CNNの電話取材に対してエオさんは、「ミシュランガイドのシステムは残酷だ。世界一残酷なテストだ。シェフはいつ来るか分からないテストを待って、1年中働くことを強要される」と訴えた。
さらに「私の店が、あんな不健全な本に評価されるのは屈辱的」だと話し、ミシュランガイドについては「金に目がくらんでいて理念はない」と批判している。
刑事事件に詳しい韓国の弁護士によると、侮辱罪は通常、相手の社会的地位をおとしめるような発言がなければ成立しないことから、エオさんの告訴が認められる公算は小さい。それでももし、ミシュランが有罪になった場合は50万ウォン~300万ウォン(約4万6000円~28万円)の支払いを命じられる可能性がある。