在韓米軍の駐留費、5倍の要求で協議決裂
ワシントン(CNN) 米韓両国は19日、在韓米軍の駐留経費の分担をめぐる第3回の協議が決裂したと発表した。
トランプ米政権が韓国の来年の負担額として、従来の約5倍に相当する47億ドル(約5100億円)を提示し、韓国側がこれに強く反発した。
米交渉団を率いるジェームズ・デハート氏は記者会見で、米国側は必要に応じて意見を調整する構えだったのに対し、韓国側が公平な負担に応じようとしなかったと主張。韓国に再考の時間を与えるために協議を切り上げたと述べた。
韓国交渉団の代表者、鄭恩甫(チョンウンボ)氏は別の会見で、米国から大幅な負担増に加え、新たな項目の費用も要求されたと指摘。米交渉団が席を立ったため協議を予定通りに進められなかったと話し、韓国としては従来の協定の枠内で負担額を決めるべきとの立場に変わりないと強調した。
エスパー米国防長官は19日、訪問先マニラでの記者会見で、韓国には経済的な余裕があるので負担を増額するべきだと改めて主張した。ただしこの日の米韓協議については、国務省の担当だとしてコメントしなかった。
駐留経費の分担を定める協定は5年ごとに更新されていたが、昨年の更新ではトランプ政権が韓国に50%の負担増を要求。最終的には韓国が前年比8%増の額を負担し、協定を毎年更新することで決着していた。
米議会関係者らによると、今年はトランプ氏が当初、50億ドルへの増額を主張したが、国務省と国防総省による説得で47億ドルに引き下げたという。