新型コロナの感染急増、アジア最大級のスラム街での拡大懸念 インド
(CNN) インド保健省は8日、新型コロナウイルスの新規感染者が同日、14万1986人と昨年5月31日以降で最多の水準に達したと報告した。同省のデータをCNNが集計して判明した。
ムンバイ市にありスラム街としてはアジアで最大規模の一つとされるダラビ地区では7日夕、150人が新たに感染し、最多記録を更新した。
CNNの取材に応じた同地区の行政責任者によると、地区内の住民数は推定で80万人。このうち約8割が手洗い所を共用し、混み合った居住空間で暮らしているため感染がさらに広がることへの懸念があるとした。
隔離対策が大きな課題となっているが、感染者の80~90%は無症状のため組織的な隔離措置の必要性を説得することが難しいとも指摘。入院率も低いままで、現在の感染者588人のうち入院したのは147人で、残りは隔離下にあるとした。
無症状の住民が多いため、検査の実施が感染の度合いを探る唯一の手段となっている。同地区では少なくとも11カ所にある公衆衛生の拠点が住民に無料検査を提供している。7日にこれらの拠点で検査を受けたのは少なくとも1400人だったという。
感染例はムンバイやデリー首都圏でも急増。地元の公衆衛生当局によると、首都圏では7日夕、1万7335人の新たな感染がわかり、陽性率は17.73%となった。ムンバイでは2万971人の新規感染が報告され、6531人が入院を迫られた。
このなかで首都圏の有力病院は同日、入院を必要とする新型コロナの患者の増大が続いていることを受け、通常の病気を抱えている患者の入院や必要不可欠でない手術などを停止すると発表した。同病院では300人以上の医師が感染したという。
同国保健省が8日に公表したデータによると、国内の累計感染者数は3536万8372人で、死者は48万3463人。世界規模で猛威を振るうオミクロン変異株による感染者は3071人となっている。