北京ハーフマラソンの結果に疑惑の声、アフリカ勢が中国選手に勝ち譲ったか
香港(CNN) 14日に中国・北京で開かれたハーフマラソンの結果に対して、インターネットユーザーらから疑問の声が上がっている。同国の何傑選手が1位でゴールする際、アフリカ人選手3人が意図的に速度を落とし、何選手へ勝ちを譲ったように見えたためだ。
フィニッシュの様子を捉えた動画には、ゴールへ向かい横並びで走る4選手のうち、ケニアの選手が何選手の方を向き、先へ行くように合図する様子が映っている。
別のケニアの選手も手を振り、集団から何選手がリードするよう促しているように見える。さらに上記のケニア人選手とエチオピアの選手に対しても、前へ出ないように合図しているようだ。
その後、何選手はフィニッシュラインを通過。タイムは1時間3分44秒で、1位の賞金5500ドル(約85万円)を獲得した。アフリカの3選手はわずか1秒差の同率2位だった。
映像ではアフリカの選手らが何選手を祝福し、背中を軽くたたくなどしている。しかし何選手は自身初のハーフマラソン競技優勝を果たしたにもかかわらず、それほど喜んでいるように見えない。
25歳の何選手は、過去2年間で中国国内のマラソン記録を2度更新した。レース後、記者団に対し「競技に臨む上でベストな状態ではなかった」ことを明かしたものの、物議を醸すフィニッシュには言及しなかった。
中国のネットユーザーの一部は、レースの調査を要求。運営側が行動を起こすよう求める声も上がっている。
あるユーザーは中国のSNS「微博(ウェイボー)」に「公正さこそスポーツ精神の中核」と投稿。また、当局が「明確な説明をし、競技の公正さを維持することを期待する。選手たちの努力に対しても敬意を払ってほしい」と訴えるコメントも寄せられた。
大会を運営する北京体育局と中国陸連は、上記のような反響を確認。今後手続きを進める方針を示している。中国国営メディアが報じた。
中国のスポーツに関する著書があるスポーツアナリストのマーク・ドライヤー氏は「何傑選手以外誰もラストスパートしていない。天才やマラソンの専門家じゃなくても分かる話だ」と指摘した。
何選手は今年のパリ五輪でアジアのランナーの筆頭と目されている。 「何傑選手はエリートだ」「このような施しは必要ない」(ドライヤー氏)