米航空業界、政権に中国航空会社の米国便増加の承認停止を要請
(CNN) 米航空業界は14日までに、バイデン米政権に対し中国発着の米国への就航便増加の承認停止を求める書簡を送付した。
中国側の市場での競争原理などを重んじない政策が、中国に乗り入れる米国の航空会社や抱える約31万5000人の従業員の利益を損ねていると主張した。
書簡は、ブリンケン国務長官とブティジェッジ運輸長官に送られた。アメリカン航空など米国の大手航空会社が加わるロビー団体や操縦士など航空業界関連の複数の労働団体もこの書簡に署名した。
市場開拓や進出で平等性への配慮もなく中国の航空市場の成長を野放しの状態で認め続けるのなら、米国の労働者と企業を犠牲にしての中国の航空会社による支配を許し続けることになるだろうとも警告した。
米政府は今年2月、中国の航空会社に対し米国への直行旅客便をさらに増やすことを認めた。新型コロナ禍で後退していた航空サービスの段階的な回復を図る措置だった。これに従い中国の航空会社による米国への往復便は先月31日から週35便から50便へ拡大した。
ただ、この増加分は2020年初期の便数規制の実施前に両国が合意していた週150往復便以上を部分的に実現させたのにすぎない。
米国の航空会社グループは書簡で、中国は新型コロナ禍の最中、航空市場への進出を厳しく規制し、運航面や顧客への対応、米航空会社の乗務員管理などでやっかいな規則を押しつけたと指摘。
この競争原理に背く事業環境は22年になりさらに悪化したとも説明。中国の航空会社はロシア領空の利用を続けられたが、米航空会社はウクライナ侵略の発生と共にロシア領空の通過を中止したことに言及。結果的に運航便を持続させる上で余分な時間とコストの負担を強いられたとした。
これらの要因を踏まえ、米政府が自国の航空業界、その従業員や乗客を守るための政策を打ち出す必要があるのは明白と強調した。