「最も汚いものはお金」?、8割が回答 欧州調査
(CNN) 「汚いお金」というのは、どこかのオフショア(非居住者向け)口座だけにあると思ったら大間違い――。欧州15カ国でこのほど実施された調査で、「紙幣はたくさんの細菌で汚染されている」と答えた人が全体の83%に上った。英オックスフォード大学による最近の研究でも、これを裏付ける結果が出ている。
調査は、米クレジットカード大手マスターカードが欧州在住の1000人を対象に実施した。「手に触れる物で最も不潔なのは」との問いに「紙幣」と答えた人は60%近くに上り、エスカレーターの手すりや支払機のボタン、図書館の本を上回った。
オックスフォード大学の科学者チームが昨年12月に実施した独自調査では、紙幣1枚に平均2万6000個の細菌が付着していることが分かった。病原体による感染が広がってもおかしくない数字だという。
きれいなはずの最新の紙幣からも、2400個の細菌が検出された。汚染が最も激しかったのは、スイス・フランとデンマーク・クローネの紙幣だったという。
マスターカードの担当者はCNNに、「紙幣は人から人の手へ渡って流通するため、ばい菌の蓄積は避けられない」と話した。同社が現金を否定する裏には経済的目的があるのではないかとの問いかけには、「クレジットカードばかりを勧めているわけではないが、消費者が現金以外の支払い方法を選ぶようになっているのは確か。その理由はもちろん清潔さではなく、手軽さや便利さなどたくさんある」と述べた。
08年にスイスのジュネーブ大学病院が実施した研究では、紙幣に付いたインフルエンザのウイルスが最長17日間も生き続けた。
米国では09年、マサチューセッツ大学ダートマス校のチームが、国内で流通する紙幣の90%にコカインの成分が付着しているとの研究結果を発表している。