キプロスで2週間ぶりに銀行の営業が再開
ロンドン(CNNMoney) キプロスの銀行は28日、ほぼ2週間ぶりに営業を再開した。ただし預金の引き出しには厳しい限度額(1日300ユーロ)が設けられている。
首都ニコシアの各銀行には預金を下ろす客が列を作った。厳しい警備のなか、大きな混乱は起こらなかった。キプロス株式市場は4月2日まで取引を中止する。
キプロスではギリシャ国債を多く保有していた大手銀行2行が巨額の損失を被り、両行合わせた資本の3分の1が失われる事態となった。
これにより金融危機に直面したキプロスはユーロ圏諸国に支援を要請。支援の条件として、預金者が損失をこうむることが明らかになったことから、16日以降、銀行の営業が停止されていた。
25日にキプロスとユーロ圏は主要2銀行の大幅な再編などを含む支援策で合意した。
今回の危機を招いた大手行2行の10万ユーロ(約1240万円)を超える預金は凍結された。大口預金者には外国、特にロシアの投資家が多く含まれる。
キプロス政府は資本の国外流出を恐れ、資本の移動に制限を加えた。海外でのクレジットカードやデビットカードの利用は月5000ユーロに制限されるほか、キプロスを出国する際の現金持ち出し限度額は1回につき3000ユーロに抑えられている。