米6月雇用統計、市場予想上回る
ニューヨーク(CNNMoney) 米労働省が5日に発表した6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から19万5000人増加し、市場予想の15万5000人増を上回った。
また労働人口、労働参加率ともに増加し、長期失業者数は減少。過去2カ月の雇用増については、4月分が5万人、5月分が2万人それぞれ上方修正された。
一方、失業率は前月から横ばいの7.6%だった。
今回の統計は、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、失業率が7%を下回ればFRBが現在実施している景気刺激を目的とした資産買い入れを停止する可能性もあると発言したことから、注目を集めていた。
今回、失業率は前月から横ばいだったが、米国経済の底堅さが示されたことから、投資家の間でFRBが近い将来、資産買い入れ規模を縮小し始めるとの考えが広がった。発表後株価は上昇する一方、債券相場は下落した。
民間部門で特に増加が目立った業種は、レジャー(7万5000人増)、専門職(5万3000人増)、小売り(3万7000人増)で、建設・製造は大きな増減はなかった。
一方、予算削減のため過去12カ月間に雇用者を6万5000人減らしてきた連邦政府は、今回も5000人減となった。
パートタイムで働く人の数は先月から32万2000人増加した。
TDアメリトレードのチーフストラテジスト、J・J・キナハン氏は「増加分の4分の3は低賃金の職だ」としながらも、6月の賃金の伸びは過去12カ月間の平均を上回っており、米国経済は改善しつつある、と指摘した。