機体に「脅迫」の図柄で勤務拒否、米航空大手が乗務員解雇
(CNN) 米大手ユナイテッド航空の元乗務員13人が11日までに、旅客機の尾翼下部の機体に威嚇的な文字と脅迫じみた顔の絵が描かれた便への勤務を拒否したのが理由で解雇されたのは不当として、米労働省に異議を申し立てた。
文字などは昨年7月14日、離陸を準備していた米サンフランシスコ発、香港行きの便で見付かっていた。機材はボーイング社製747型機で、補助エンジンの油を使い、約15センチ大の文字で「BYE BYE」と記され、その下には笑顔と悪魔を想像させる顔の2つが描かれていた。
顔の絵などを描いた人物が特定されたのかは不明。
元乗務員13人を代表する弁護士は、同航空は安全運航と乗客の安全に対する深刻かつ明白な脅威が生じていたものの、コスト負担、運航スケジュールや収益への支障の回避を優先し、13人に乗務を命令したと主張。
異議申し立てによると、13人は会社に治安対策上の措置が講じられない乗務への不安感を訴えた。爆発物が仕掛けられていないことを確認するため、300人余の乗客を降ろし、機内外での徹底的な点検などを求めたという。
一方、ユナイテッド航空はCNNの取材に、運航や安全対策担当者らによる調査を実施し、認められる治安上の脅威はなかったと指摘。米連邦航空局(FAA)が定める手順での調査も全て行ったとし、同便の操縦士は乗務をいとわない意向を示したとも述べた。
これに対し、元乗務員は昨年3月に起きたマレーシア航空370便の消息不明や米運輸保安庁(TSA)が最近警告した家庭用電子機器を用いた爆弾の警告を踏まえ、乗客の安全を図るために必要な全ての措置を講じるより強い義務と法的な責任を担う立場にあったと主張した。
13人の解雇は昨年10月で、不服従が理由となっている。異議申し立てでは、同航空の威圧的かつ報復的な解雇を非難。復職や未払い分の報酬や損害賠償を要求した。