「求む女性スパイ」 英情報機関、育児サイトで求人も
ロンドン(CNN) 英情報機関はもっと女性スパイを増やすべきであり、育児情報サイトを通じた人材募集も検討すべきかもしれない――。英議会情報保安委員会が5日、そんな内容の報告書をまとめた。子どもを持つ女性や中年女性も採用すべきだと提言している。
同委員会はMI5、MI6、政府通信本部(GCHQ)という3つの情報機関を管轄する。こうした機関の中間管理職は「非常に伝統的な男性気質と外見」の男性ばかりが占めており、この「永久凍土層」を打ち破る必要があると報告書は指摘。育児情報サイトの「Mumsnet」を通じてスパイの人材を募集するというアイデアも打ち出した。
同委員会委員のヘイゼル・ブレアズ議員は、時代遅れになりがちな情報機関の体質を変えるためには女性の採用を増やすことが不可欠だと話す。
現在の体質では「声の大きい人間やキャリア追求に貪欲な人間ばかりが報われ、協調的な姿勢を持つことの価値が十分認識されていない」と同議員。女性がもつ経験や資質を見過ごすべきではないと力説する。
スパイ映画の世界では、ジェームズ・ボンドの上司は「M」という女性だ。確かに英情報機関の職員は女性が37%を占めているが、管理職は5人中4人が男性だという。
Mumsnetでスパイを募るというアイデアに同サイトのユーザーからは、「思いついたことを何でもネットに書き込まずにいられない人は、確かにすばらしいスパイになれるかも」と皮肉めいたコメントも。
報告書では、女性同士の非公式な支援ネットワーク形成を促すことや、子どもがいる女性の選択肢を狭めないことなども提言している。