フィットネスの新たな形? 仮想空間でサイクリング
「ザ・トリップ」と題した35分間のプログラムは、宇宙のかなたへ旅に出るストーリー。テレビゲームのような感覚が若い層を引き付けるのではないかと、ピュア社のコリン・グラント最高経営責任者(CEO)は期待する。スタジオ設置の工事には40万ドル(約4900万円)余りの費用を投じた。
クラスの参加者たちは、高層ビルが立ち並ぶ未来都市で自転車レースを繰り広げる。映像に合わせて坂を上ったり下りたり、カーブを曲がったりするうちに、自分がどこにいるのか分からなくなってくる。クラスの冒頭で乗り物酔いについての注意があるのも無理はない。
やがて突然、目の前に真っ暗な宇宙空間が広がったと思うと、次の瞬間には海の夕日へ向かって自転車をこいでいる。空を飛ぶガンの群れに、思わずほほ笑みが浮かぶ。クラスを終えた後に残るのは、3D映画を見た時のような充実感だ。
「この技術はまだ生まれたばかりで、大きな可能性を秘めている」と、グラント氏は語る。「ジェットスキーと一緒に海の上を走ることもできる。映像ににおいや霧も加えられるだろう」
スタジオをスピンクラスだけでなく、ヨガのようなクラスに活用する計画もある。エベレストの山頂で、太陽礼拝のポーズなどいかがだろうか。