ギリシャとロシア、新たなパイプライン建設計画で合意
ロンドン(CNNMoney) ギリシャ、ロシア両国は19日、ロシアの天然ガスをギリシャ経由で欧州諸国へ輸出する新たなパイプラインの建設計画で合意した。ロシアの国営メディアが伝えた。
建設費は約20億ユーロ(約2780億円)で、2019年までに完工の予定。工費はロシアが支払うが、ギリシャは負担分を後年返済する。建設に伴い、ギリシャは割安価格でガスを確保出来る他、パイプラインの通過料も手にする。
欧州諸国は主にウクライナ経由のパイプラインでロシア産ガスの供給を受けているが、ギリシャ経由の新たなパイプラインはウクライナを避けている。
ロシアのサンクトペテルブルクに19日到着したギリシャのチプラス首相は、今回の訪問の狙いについて多極化外交の推進と述べ、ロシアのプーチン大統領とも会談。ロシアのノバク・エネルギー相はパイプラインの建設合意について両国間関係を新たなレベルに引き上げるとの意義を強調した。
深刻な財務危機にあるギリシャは現在、欧州諸国らと金融支援交渉を続けているが難航している。18日にも欧州の金融当局者と協議したが欧州側が求める経済改革に抵抗し、決裂。妥協が成立しない場合、ギリシャは今後数週間内に借金の支払いが不可能となり、デフォルト(債務不履行)に陥ることが現実味を帯びている。
ギリシャで今年、左派政党の政権が発足し、ロシアとの関係は一層緊密化している。両国は文化的な共通点も多く、キリスト教の東方正教会も共有している。ギリシャを訪れるロシア人も毎年多数に上っている。