ギリシャ国会、財政改革案を承認 金融支援はEUの判断次第
ロンドン(CNNMoney) 深刻な財政危機にあるギリシャの国会は11日未明、金融支援を受ける条件として欧州連合(EU)に示していた財政改革案についての採決を実施し、承認した。
これを受け、EUの単一通貨ユーロ圏の財務相会合が11日に改革案の諾否に関する協議を行う。EU加盟28カ国の首脳会議もこの財政改革案を検討し、判断を示すことになる。ユーロ圏の首脳会議は今週初め、ギリシャのユーロ圏からの脱退の事態もにらみながら、改革案の提出期限に関する最後通告を行っていた。
ギリシャ政府による財政改革案は今月5日の国民投票で拒否した緊縮策を多く取り込んでおり、EU側への譲歩が目立つ。債務の支払い期限やギリシャの銀行の資金不足などの事態に迫られ、譲歩せざるを得ない事情を反映している。
財政改革案には歳出削減、増税や観光地の島しょ向けの減税の廃止などの他、引退年齢の引き上げなどの公的年金制度の改革や徴税作業の改善も盛り込まれた。
ギリシャが提出した改革案はユーロ圏指導者が以前突き付けていた案と似通ったものになっている。
ギリシャはまた、債務減免も求めているが、一部の欧州指導者は強く反対している。この債務減免の問題の扱い次第では、ギリシャへの支援が実現しない可能性も出てくる。そうなれば、ギリシャの債務がさらにかさみ債務不履行(デフォルト)に追い込まれる事態も否定出来ない。