HSBCの社員、結束狙いISIS処刑まねた動画撮影し解雇
ニューヨーク(CNNMoney) 英国の金融大手HSBCは9日までに、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の人質処刑を模倣したビデオ映像を撮影し、「インスタグラム」に投稿したとして社員6人を解雇したと発表した。
問題の映像は既に削除された。英紙サンは、映像撮影はチームの団結力を高めるのが狙いだったと報道。6人は英バーミンガムで法律担当チームの一員として働いていたという。
サン紙によると、映像では1人が人質役となってオレンジ色の作業着を着用し、他の5人の前にうなだれてひざまずくポーズを取っていた。他の5人は暗色系の服装でマスクを被り、ナイフに見せるかのようにハンガーを手に持ってスローガンを口走り、笑い声を上げるなどもしていた。
1人は「アラー・アクバル(神は偉大なり)」とも叫んでいた。ISISが過去に公開した処刑映像での一部では処刑の執行者がこの言葉を発するのが確認されていた。
英ロンドンにあるHSBC報道部門は声明やツイッター上で6人の解雇を発表。「おぞましいビデオ映像」を見た後の処置とし、社会に不快感を与えたことを謝罪した。「不適切な行動は容認しない」とも強調した。
HSBCは現在、スイスで顧客の脱税対策として資金洗浄に関与した疑いがもたれ米国や英国当局の調べを受けている。顧客の中にはエジプトのムバラク元大統領、チュニジアのベンアリ元大統領やシリアのアサド大統領らが含まれているともされる。