ギリシャ、新たな財政改革案を提出 EUとの合意期限迫る
ロンドン(CNNMoney) ギリシャ政府は10日までに、新たな金融支援の前提となる財政改革案を提出した。同国と欧州の当局者が明らかにした。今後ギリシャがユーロ圏にとどまれるかどうかは、今回の提案の内容にかかっている。
欧州首脳らはギリシャのチプラス首相に対し、同国が経済再建と財政改革に真剣に取り組む姿勢を示して12日までに欧州首脳を納得させなければ、ユーロ圏を離脱することになるという最後通告を突きつけていた。
報道によると、ギリシャが提出した改革案では歳出削減や増税、観光スポットとなっている特定の島に対する税負担軽減措置の段階的な廃止を表明。公務員の年金については定年退職の年齢を引き上げるとし、徴税の強化も盛り込んだ。
英紙フィナンシャル・タイムズによれば、チプラス首相は債権者に宛てた書簡の中で、「ギリシャがユーロ圏に残るため、そして経済危機を終わらせるために、改革を断行する」と強調している。
ギリシャ議会は10日にこの提案について審議する。議会を通過すれば11日のユーロ圏財務相会合と12日のEU首脳会合に提出される。
2010年以来3度目となるギリシャへの金融支援について、12日の会合でもし正式交渉開始の合意が成立しなければ、ギリシャ経済は破綻(はたん)に追い込まれる。
その場合欧州中央銀行(ECB)はギリシャの銀行への資金供給打ち切りを余儀なくされ、ギリシャ政府は自国通貨を発行する以外にほとんど選択肢がなくなる。それは共通通貨ユーロの創設から16年で初めて、加盟国が離脱することを意味する。