ドイツ検察、VW前CEOを詐欺容疑で捜査
ロンドン(CNNMoney) ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制を逃れるために不正を行っていた問題で、ドイツの検察当局は29日までに、同社のマルティン・ウィンターコルン前最高経営責任者(CEO)が不正にかかわった疑いがあると見て、刑事事件として捜査に乗り出した。
ドイツ検察の発表によると、ウィンターコルン氏に対する捜査では、VWが排ガス量を操作して車を販売していた問題に関し、詐欺罪での立件を目指す。
この問題ではVWがディーゼル車50万台あまりのプログラミングを操作して、検査時の有害物質排出量が道路走行時よりも少なくなるよう手を加えていたことが米規制当局の捜査で発覚。VWも不正があったことを認め、影響は世界で発売している1100万台に及ぶ可能性があると発表していた。
責任を取って23日にCEOを辞任したウィンターコルン氏は、これほどの規模の不正が行われていたことに衝撃を受けたと述べ、会社のために辞任を決めたとしながらも、「私自身は不正のことは一切知らなかった」と説明していた。
検察は事件の全容解明に向け、ウィンターコルン氏以外のVW従業員についても捜査する方針。もしウィンターコルン氏が詐欺罪に問われて有罪を言い渡されれば、多額の罰金か10年以下の禁錮を言い渡される可能性がある。
VWの新CEOには25日、マティアス・ミュラー氏が任命された。