クウェート航空、イスラエル人に発券拒否 路線も廃止
(CNN) 米運輸省がイスラエルの旅券を使った乗客に対し航空券発券を拒否する違法な差別行為を働いたとしてクウェート航空に対し法的な対抗措置を警告していたことが19日までにわかった。
同省の報道担当者はCNNの取材に、同航空は今月15日、今回の問題が起きたニューヨーク市のケネディ国際空港とロンドンのヒースロー国際空港の間の路線を廃止する方針を同省に伝えてきたと述べた。
運輸省は今年9月、クウェート航空に対し反差別の関連法規に今後どう対処するかの見解を15日以内に示すよう書簡で求めていた。
これに対し同航空は、発券拒否はイスラエルもしくはイスラエル人とのビジネスを禁じるクウェートの法規に従った措置と説明。また、クウェートで有効と認められる旅券の保持者には人種や国籍に関係なく航空券を販売しており、発券拒否は差別的な措置に相当しないとも主張したという。
今回の問題は、2013年に同航空のサイトを通じて購入しようとしたイスラエル国籍の男性が同省に苦情を伝えたことで発覚した。インターネットでは旅券の発行国としてイスラエルを選択出来なかったとしている。
米運輸省のフォックス長官は今年9月、米国への乗り入れを希望する全ての航空会社は米国の空ではいかなる差別行為も容認されないことを知るべきだと述べていた。
イスラエル人男性の弁護士はニューヨーク、ロンドン間の路線廃止は問題の解決につながらないと主張。クウェート航空は11月に米連邦控訴裁判所に今回の論争の審理を請願しており、同航空に有利な見解が出た場合、同路線を再開する可能性があると指摘した。