イランの成長率、「今後5年は平均8%」 政府高官が見通し
スイス・ダボス(CNNMoney) イランのモハマド・ナハバンディアン大統領府長官は24日までに、同国経済の年間成長率は今後5年間、平均8%を記録するとの見通しを示した。
スイス・ダボスでの「世界経済フォーラム」の年次総会(ダボス会議)で述べた。核開発問題に伴う欧米諸国によるイランへの経済制裁が今月16日に解除されたことを受け、同国が今後、大規模な経済目標を目指すことも示唆した。
同長官は、イランは今後数十年間で最も有望な新興市場の1つになるだろうと強調。制裁解除で8%の経済成長は可能と主張した。エネルギー、情報通信と輸送などの分野に関心を抱く企業が数多くいるとも述べた。
制裁解除でイランはこれまで海外で凍結されていた最大1500億米ドル(約17兆8500億円)の運用が可能となった。同国政府はこの資金を施設の老朽化が目立つ原油生産部門を中心に経済活性化の政策に注ぎ込む計画。原油生産量は今年末までに最大で日量150万バレルの増産を計画し、世界の原油市場での早急なシェア拡大を狙う。
イランは原油と天然ガスの埋蔵量の総量では世界最大規模を誇る。ナハバンディアン長官は、イランはエネルギー安保の確保で最良の供給源の1つと成り得る国であり、特に欧州にとっての恩恵は大きいと主張した。